凹凸のある吹付現物塗膜に合わせた塗料調色

厳しい暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

本日のブログを担当させて頂きます池上と申します。

現在、私達「調色センター」では、なんと工場内の気温が40℃近い中、年齢を感じさせない(?)パワフルな調色職人たちが日々汗だくになりながら、お蔭様でたくさんのご依頼に対応すべく調色業務に励んでおります(笑)。

これから皆様に、現場での実際に行われる調色を知って頂きたく、お役に立てるような様々な事例を紹介できればと思っておりますので、ぜひお付き合いの程よろしくお願いいたします。



さて今回は、某塗料販売会社様より凹凸のある吹付仕様の丸印の色に合わせて欲しいとのご依頼を頂きました。


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先週に引き続き、今回もリアルでダイナミックな見本です。(笑)



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凹凸のある吹付仕様の塗膜 〔アップ写真〕
こういう壁よくみかけますよね。



このような壁に合わせて調色を行う際、凹面は濃く凸面は淡く見えてしまうため、どちらかで合わすと仕上がりに誤差が生じてしまいます。

それでは、仕上がりに誤差を出さないようにするには、どのように調色されるのでしょうか?


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まずは、原色選定。ベースになる白に左上より、オーカー、赤錆、
左下のウィークホワイト、ハイエロー、黒を用いて、さあ調色開始です。



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原色が次々と投入され、勢いよく攪拌されます。
初めは完成品の約半量で調色していきます。



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早い!10分も経たないうちにほとんど仕上がってきました。
このように見本と合わせる色を見比べる場合、凹凸面どちらかではなく
全体の見た感じを瞬時の判断で決定します。
それは、長時間見ていると、凹面の濃い色と凸面の淡い色の誤差で判断が
つかなくなってしまうからです。



しかし、プロの調色職人は本当にスピーディーです。実は、それには秘訣があり、まず最初の確かな原色選定がスピード調色のカギとなります。それが解るには長年のキャリアと経験が不可欠です。



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また、塗料の種類によって違いはありますが、「のぼり」という塗布した瞬間は
淡く塗膜の中まで乾く頃には、濃くなるという事が起こります。そのためオーブンで
速やかに乾燥させ、色がのぼった状態で見ると、正しい判断が可能になります。



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さらなる微調整を加え完成しました。これは製品缶に詰め替えているところです。



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詰め替えが完了いたしました。(笑)
早速本日の便でスピード出荷いたします。



「調色センター」では、今回のように凹凸のある見本の状態を見極め、色のぼりなど塗料の性質を熟知したプロフェッショナルな調色技術士により、あらゆる調色のご依頼に対応させて頂くことが可能です。

「このようなサンプルで調色できないか?」など、リクエストがございましたら、ご遠慮なく、一度私達「調色センター」まで、お気軽にご相談ください。

あらゆるご希望に応じて、誠心誠意ご対応させて頂きます。

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