本日のブログ担当は永田でございます。
今回も、皆様の参考にして頂くべく、頑張ってブログを更新させて頂きます(笑)。
さて、今回のご依頼もまた近隣の塗料販売店様より、色見本持込による依頼です。
これがなんと白い板!(驚)。
しかし、ただの白い板ではございません。実はなんと、これは皮のバッグや財布などで有名なアメリカのブランド『COACH』の色サンプルなのです!
今回、関東方面のショッピングモールに新しく出展する陳列棚に塗装されるそうです。
実はこのような淡彩、しかも『白』という奴は非常に手強い物なのです。
しかも写真では分りにくいですが艶の程度の数値30グロス(3分艶有)しか無いのですが、これを50グロス(半艶)に、とのご希望なのです。
やっぱり、世界ブランドメーカーは、指定が細かい!(苦笑)。
このような調色は、本当に高度な調色技術力が要求されます。なんせ艶加減までビシッと指定されてますからね(苦笑)。
しかし、弊社にはこのような難題にも果敢に挑む『匠』の技を持つ調色職人が複数在籍しておりますので、ドンと望むところです!
それでは本題に入りますが、調色内容はアクリルラッカーでのご依頼です。
世界の高級ブランド品を陳列する棚なので光沢の良い耐黄変性に優れた塗料ハイソリッドタイプのネオアクリルラッカー「38ラインコーロック」での調色!
まずは、淡彩色の調色の場合、ベースとなるホワイトを入れ原色を少しずつ入れていき、
確認をしながら微妙に色目を調整していきます。
『匠の心遣い』
通常の調色作業の場合、左のブリキ板を使用するのですが、今回のような淡彩色の場合下地の色が透けてしまい黒くまたは青く見えてしまう為、上がりの色が違ってしまいます。
そこで、今回は右の下塗りを施したブリキ板を使用します。
実際の塗装現場でも下塗りにサフェーサー(下地調整剤)などを塗装してから上塗り塗装をしていますので、こうすることで、より正確な調色が出来るのです。
色確認をしながら数回の調整をします。
かなりの良い具合に色が出てきました。
自然の昼光で調色する際、日の出の3時間後から日の入りの3時間前までの間による、
北側の窓から受けた光「拡散昼光(北窓昼光)」で合わせるのが
適しているとされています。
スプレーガンで吹いて確認します。
同じように吹いた板ですが(左ブリキに直接・右下地に白を塗装した物)、
よく見るとご覧のように見た目に異なって見えるものなのです。
今回も見事な出来上がり!ピッタリと調色できました。
今回はラッカーで艶の調整は有るもののほぼ白に近い淡彩色で、一般的には簡単に調色できると思われがちですが、白い色というのは微細な色加減が非常に難しく、非常に神経を使う作業で『熟練の技』が必要なのです。
しかも今回は高級ブランド商品を陳列する棚と聞いていたので、特に神経を使いました。
いや勿論、どのような注文に対しても全力で作業しておりますが・・・(笑)
今回は、塗装される工場が弊社の近くだったので社長様のご好意で塗装後の製品を見学させて頂きました。
上部にスポットライトが付き棚の奥の枠に沿ってステンレスのモールが付いて完成となるそうです。
とても美しい仕上がりに感動を覚えるほどでした。
誠に、ありがとうございました。
これからも、近隣の塗料販売店様や塗装店様とは、ますます親しくお付き合いをさせて頂き
『匠の技』と『心遣い』でお客様の「かゆい所に手が届く」・・・。
そんな企業でありたいと思っております。